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第3回 未来の羅針盤 開催レポート公開

  • webteam69
  • 5 時間前
  • 読了時間: 16分

本レポートは2025年11月7日(金)に開催された「不確実な時代の未来指針を示す羅針盤セミナー」シリーズ第3回〈未来の羅針盤~カオスの大海を、経営者はいかに航るのか?~〉の内容を、主要な論点にフォーカスして再構成したものです。


当日は、法政大学名誉教授の田中優子氏、法律家・弁護士の水野祐氏、文化人類学者の中村寛氏をお招きし、アミタホールディングス(株)の代表 熊野がナビゲーターを務めました。生活価値・法理・記憶価値という3つの軸から、文化性や美意識といった無形性の価値に焦点を当て、これからの時代の価値創造のあり方を読み解きました。



第一部:ショートインプット


田中優子氏 生活価値の羅針盤

(法政大学名誉教授・元総長/江戸東京研究センター特任教授)


江戸時代の文化研究を専門とする田中氏は、江戸の「三つの制約」とそこから生まれた独自の文化・価値観を紹介。江戸時代の人々が、制約をネガティブなものとして捉えるのではなく、新たな価値創造の源泉にしていたことを示しました。


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第一の制約:季節

田中氏は、日本の四季は自然の制約であると同時に、文化の基盤でもあったと指摘しました。例として、平安時代には着物の色の組み合わせで季節を表現する「襲(かさね)の色目」が生まれ、江戸時代に絞り染めや刺繍といった技術が発展すると、風景そのものを着物に描く文化が生まれたことを挙げました。これは、自然を身にまとうことで自らが自然の一部となる、世界でも類を見ない表現方法だと田中氏は説明。そのほか、四季折々の風物詩を描いた浮世絵を紹介し、制約を表現へと転換する江戸の文化を示しました。


第二の制約:政治的な制限

次に田中氏は、江戸幕府が庶民に華美な着物を禁止した「奢侈(しゃし)禁止令」という制約が、「粋」という独自の美意識を誕生させたことに言及。茶色と鼠色が生み出す多彩な色相「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」や、地味な色調で構成された図柄「江戸小紋」のほか、裏地や襦袢など見えない部分にこだわる着物の着こなしなど、制約下でさまざまな文化が生まれたことを紹介しました。

第三の制約:資源の不足

最後に、江戸時代は資源が常に不足していたため、徹底した循環型社会が形成されていた点を紹介しました。布は高級店から行商まで膨大な数の古着屋を介して循環し、紙はリサイクルペーパーが日常的に使用されていたといいます。また、オランダの東インド会社から輸入された革製品については、数は少ないものの、例えば煙草入れに季語を表現した金具を施すなど日本独自の編集が加えられ、豊かな文化が創造されていたことを示しました。



水野祐氏 法理の羅針盤

(法律家・弁護士 シティライツ法律事務所)


水野氏は著書『法のデザイン』を引用しながら、法やルールを規制としてだけではなく、創造的なツールとしても活用していく必要性を提示しました。また、法にまつわる実例を紹介し、未来を創造するうえで法が持つ可能性を示唆しました。


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法を用いてイノベーションを最大化


水野氏は、法は物事や社会を良い方向に誘導したり、加速させたりする力も持っていると論じたうえで、企業間、もしくは企業対消費者の「契約」のように、法は自由にデザインできる側面も持つと紹介しました。さらに、技術の進歩が法律の整備を追い越す「ローラグ(Law Lag=法の遅れ)」をどう捉えるかが非常に重要であると主張。日本の社会や企業がこの「グレーゾーン」を避けがちであると指摘し、「グレーゾーンにこそ社会課題が詰まっており、そこから逃げるのではなく、むしろ真正面からタックルする事業を構想するべき」と訴えました。このグレーゾーンを乗り越えながら事業を成長させてきた例として、GoogleやAirbnbのような西海岸のテック企業、あるいはメルカリやLUUP、タイミーといった日本の新興企業を挙げました。


江戸時代以前の法体系


江戸時代以前は天皇・貴族・武士という身分制を前提とした部分的な法治主義であり、人治主義の側面が強かったと提示しました。商法や会社法はなく、一定のメンバーシップやコミュニティを前提としたルールの影響が大きかったことを紹介しました。


法学と文化人類学の交差点


水野氏は、法学が「会社とは」「人間とは」といった問いを再考する物差しを欠いている一方で、昨今は文化人類学的な視点から法的フレームを問い直す動きが注目されていると述べました。具体例として、インドでガンジス川に法人格を付与した裁判所の判決(最高裁では否決)、ニュージーランドで山や森、川に人格権を認めた法律、インドの知的所有権に関する中空萌氏の文化人類学的考察などを挙げました。


イタリアの法学者ウゴ・パガロ氏が提唱する「AIに法人格を与えるべきではないか」というテーマは、AI自体に法人格を認め、その中で責任や権利の整理を試みるもので、EUで真剣に議論され始めているといいます。水野氏は、このような法学と文化人類学の組み合わせが、新しい未来を照らす可能性を秘めていると結論付けました。



中村寛氏 記憶価値の羅針盤

(文化人類学者・デザイン人類学者 多摩美術大学リベラルアーツセンター/大学院教授 アトリエ・アンソロポロジー合同会社代表)


「アンソロデザイン」というコンセプトを掲げ、デザイン的アプローチから人類学の知見の社会実装を試みる中村氏からは、今回のテーマと親和性が高い三つの話題提供がありました。


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人間ではなくテクノロジーを主体とみなす「プラネタリー・コンピュテーション」

一つ目は、デザイン理論家のベンジャミン・ブラットンが提唱する「プラネタリー・コンピュテーション(Planetary Computation)」という概念です。ブラットンはコンピュータシステムが地球規模に拡大する現状を分析し、テクノロジーこそが人工物を作り出す主体であり、人間はテクノロジーの進化プロセスにおいて一時的に必要とされた存在にすぎない、という進化論的な見方を示したことを紹介しました。


万物に声を付与する「パーラメント・オブ・シングズ」

二つ目は、人類学者ブルーノ・ラトゥールが提唱した「パーラメント・オブ・シングズ(Parliament of Things)」という概念の実践例です。哲学者のゴン・ジョジュン氏がプロデュースした台湾の芸術祭では、台南市の川の流域138キロを3年間にわたりリサーチし、川、絶滅した生物、ダムの石ころなど、あらゆるものの「声」を発現させる試みが行われました。中村氏は、これは水野氏が言及した、人間以外に法人格を認める議論と深く繋がるものだと指摘しました。


近代の法体系の根底をゆるがす「リストラティブ・ジャスティス」

近代法が懲罰的・報復的であるのに対し、「リストラティブ・ジャスティス(Restorative Justice, 修復的司法)」は、犯罪による被害や加害の関係性を修復し、コミュニティの回復を目指すものです。医療分野では、これまで抑圧的な対処がされてきた現場において、犯罪の原因となった病気の根本治療を促すなど、正義の在り方を問い直す「セラピューティック・ジュリスプルーデンス(Therapeutic Jurisprudence, 治療的法学)」という概念が生まれていることも紹介されました。


中村氏は、ヘイトクライムの分野で修復的司法が用いられていることを挙げ、より建設的で脱暴力的なシステム構築へのヒントを示しました。さらに、水俣病史における「もやい直し」という概念に言及し、地域が持つ可能性も示唆しました。




第二部:パネルディスカッション


第二部では「新たな時代には新たな価値の作り方が必要になる中で、我々はどこへ向かい、いかなる価値を生み出すのか。未来の羅針盤とは何か」をテーマに、登壇者3名とナビゲーター熊野によるディスカッションが展開されました。


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論点1:AI時代の人間と非人間―新たな共存関係の探求

熊野は、経済学者のハイエクやラトゥールの「知識は分散している」という考え方を引き合いに、AI時代の人間と非人間の関係性を問いかけました。「自然と人間の関係にAIやロボットが介在するのか、あるいはAI自体は異なる次元で外部環境の影響を受ける存在となるのか」と提起しました。


• 中村氏の発言要旨:


ブラットンの「テクノロジーに主体性を付与する」という見解を引用し、AIが人間を進化させる視点を提示。人間がAIを作ったつもりでも、AIによって学習させられ、脳が進化していく可能性に言及しました。この関係性は文字発明時の革命と類似しており、文字が数百年後の人間同士の会話を可能にしたように、AIという新しいメディアが人間を別の世界へ導く呼応関係を生む可能性を示唆しました。ただし、AIは自己増殖するため、人間もそれに合わせて分散的に変化していくだろうとの見解を示しました。


• 田中氏の発言要旨:


日本人が大陸から伝来した漢字を和音で読み、ひらがなやカタカナを生み出した歴史を紹介。日本が外来文化の選別や、西洋の概念を漢字で表現する「翻訳」に長けているのは、この「表意文字を表音文字に転換する」という日本独自の得意技の延長にあると説明しました。さらに、日本人は古来よりアニミスティックな感覚が特に強く、江戸時代の色彩世界の表現を引き合いに、「人間が自然を表現している」のではなく「自然が人間世界に入り込み自らを表現している」可能性もあるのではないか、との視座を提供しました。



熊野は、かつて西洋ではプロテスタントが神を自己に取り込み神の世を創ろうとしたのに対し、日本は自然を自己に取り込むことで自然を表現したことを主張。その流れから、「会社」という無機質な組織が法人格を持つに至った経緯について水野氏に問いかけました。


• 水野氏の発言要旨:


会社に法人格が与えられたのは、所有と経営の分離による投資の促進という経済的ツールとしての側面が強く、そこに精神的な意味合いは薄かったのではないかと見解を述べました。しかし、会社という概念を単なる機能としてではなく「表現」として捉える熊野の見方は非常に興味深い視点であるとしました。また、AIの知財問題では、2018年の著作権法改正により、情報解析のためのデータ学習利用は原則合法であり、生成コンテンツの権利発生は否定的な方向で議論されていると紹介。知的財産権の制度設計は「どういうルールにすれば世のためになるかという点から逆算すべき」と述べました。


論点2:AI社会における倫理と美意識―制約を内包する価値創造とは?


熊野は、日本人が自然を畏怖も含めて取り込み、美意識が生まれたという田中氏の意見に共感を示しました。そして、近代が築き上げた「仕組みに人間が合わせる」という状況から脱却し、「人間の中に社会を持てるか」という問いを提示しました。さらに、「外在化していた制約を自己に取り込み、我が事として捉えた時にこそ、新しい価値が生まれるのではないか」との見解を示しました。日本人が怨霊を神として祀ってきたように、AIもポジティブに受け入れる意識転換ができるかが鍵だと問題提起しました。また、AIタレントを使った広告はスキャンダルなどのリスクを回避できる一方で、「モラルなきAIが経済価値を持つことができる時代に、雑味のある生身の人間がどうAI社会に馴染むか」という問いも提示しました。


• 中村氏の発言要旨:


AI脅威論は新しい技術の登場とともに必ず現れる「不安」から生じると指摘。漠然とした不安が、特定の対象を見つけることで「恐怖」に変わり、攻撃へと転じるメカニズムを説明し、1930年代ごろのドイツの歴史的背景を例に挙げました。AIに対する人間の立ち位置としては、コントロールや抑制は困難であるため、人間がAIを「内側に取り込んでいく」と同時にAIに人間が「取り込まれていく」、という反射的で混淆的な動きになるだろうと予測しました。また、大学でのAI活用に関する議論に触れ、レポート作成や画像生成といった分野でのAI利用が進む中で、その評価基準や倫理的な問題が教育現場でも問われている現状を述べました。


論点3:AIが問いかける死生観―AIとの共生社会における「豊かな死」の探求


ディスカッションの終盤、熊野は最も本質的な問いを投げかけました。超長寿、地球の制約、電脳社会という未来において、近代の「豊かに生きる」という富や名声偏重の価値観の延長ではなく、絶対的な死の平等性を前提とした時に、人間が「豊かに死ぬ」ためには何を選ぶべきか――そう問いかけました。江戸時代の「粋(いき)」と上方の「粋(すい)」という考え方のように、生と死の両義的な価値観を改めて問い直すことの重要性を強調しました。


• 田中氏の発言要旨:


AIを脅威と捉えるだけでなく、日本古来の「御霊信仰」のように、菅原道真などの怨霊を祀ることで、益のある力に転換するという考え方がAIにも適用できる可能性を示唆しました。また、AIが知識量で人間を凌駕する時代において、従来の知識偏重の教育は意味をなさず、個々人が持つ経験や記憶、とりわけ思い出(AIが持ち得ないもの)を「編集力」に活かすことの重要性に言及しました。そして、この編集力を「もやい直し」、つまり、価値観や文化の転換へと向かわせることが「豊かな死」に繋がるのではないかと見解を述べました。


• 水野氏の発言要旨:


AIの進化により「死」が遠ざかる可能性について提起。著名人のデジタルレプリカや故人のデジタルクローンといった技術の登場が、人間の死生観に大きな影響を与えることや、臓器提供のように、誰しもが「生前のデジタルレプリカを残すか残さないか」といった意思表示が求められる時代が来るかもしれないと言及しました。また、これらの技術を法律で禁止すべきか、あるいは一定の限度で認めるべきかといった議論が今後必要になるとし、これは法的な問題だけでなく、倫理的な側面から人間社会への影響を深く考えるべき課題との見解を示しました。


• 中村氏の発言要旨:


テクノロジーによって死の概念でさえもが揺らぎ始めている現代は、「人間の定義」が大きく変わる段階にあると述べました。アメリカの憲法修正条項の歴史に触れ、人間中心主義が人間という範囲を拡大してきた一方で、常にその外部(非人間)をカテゴライズしてきた点を指摘しました。今日においても、犯罪者やテロリスト、さらには重度の障がい者や病人に対して、人格を否定し「エネルギーやリソースの無駄遣い」と何の制約もなく言えてしまう状況があり、その危うさに警鐘を鳴らしました。また、スマートフォンが人間の生活を変容させたように、AIもまた人間を規定する存在になるとし、人類学がこの変化の中で人間のあり方を再考する上で注目されているのだろうと推論しました。さらに、日本においては、AIによる死生観の変化や寿命そのものを書き換えようとする動きに関する倫理的議論が不足していることを懸念し、規制は必要なものの、おそらく人間や生命の定義の更新を止めることは難しいだろうと述べました。



Q&Aセッション


Q1:AIによる最適化は組織構造にどう影響する?


AIによる全体最適化のプロセスで、組織や集団はどう変化していくのか?個人もしくは一部分から広がっていくのか、あるいは集団全体で最適解が作られていくのか。その力学について質問がありました。


  • 中村氏の発言要旨:

    中村氏はマジョリティのアルゴリズムに則った「全体最適」ではなく、ローカライズされたAIの活用法を提案しました。例えば一つの組織の中で分散した知識を集約して事務処理の効率化を図るなど、AIの活用方法は、地域や組織の状況、習慣、文化などに応じて議論されるべきだと提言しました。


  • 水野氏の発言要旨:

    水野氏は法整備の観点から、AIの動的な活用法について提言しました。法を作る過程自体が最適化のプロセスであり、社会のプレイヤーとしてルール作りに参画することが重要だと強調。「法は動的なもの」という感覚を持ってAIに関わることで、法が共創的に進化していくことが期待されると述べました。


  • 田中氏の発言要旨:

    田中氏は、集団や全体、国、仲間ではなく、個人が反応を共有し合う「連的」という概念を提示。これは江戸時代の人間関係の基本であり、当時は集団という概念はなかったと指摘しました。例として、江戸時代には「俳句」という存在はなく、前の人の句に新しい句をつなぎ全体でクリエイティブを生み出す「連句」であったことを紹介。ダイナミズムを保ち連なり続けるために「つきすぎず離れすぎない」ことの重要性を説明し、AIと個人、ひいては社会との反応も、この「連的」な関係性で捉えることができるとしました。


Q2:AI時代、日本の「編集力」を産業に活かすには?


日本人の「編集力」は、モノやコンテンツなど、個別の分野で非常に高い能力を発揮するが、ビジネスモデルの構築や法的レギュレーションの設計といった、より大きな枠組みにおいては、強みが活かしきれていない。この「編集力」を個別コンテンツの域を超えて、産業や国家の発展に活かすにはどうすべきか、という問いが出ました。


  • 水野氏の発言要旨: 法制度やビジネスのルール作りにおいて、日本が世界に後れを取っている現状を認め、その原因を「コアとなる価値観」が欠如している点にあると指摘しました。欧米が自由や尊厳といった明確な価値観を法制度に打ち込んでいるのに対し、日本は他国のルール・制度の折衷案を作る傾向があるため新しいものを生み出しにくいと述べました。そのため、法制度や事業活動のルールメイキングにおいて、日本独自の価値観を持ち込む必要性を強調しました。


  • 田中氏の発言要旨:

    編集は狭めるのではなく、広げるためにあると述べ、その都度「この編集はどこに向かうのか?」という目標設定が重要だと強調しました。江戸時代の「連」は、その時々の目標を持ってクリエイティブな活動を行っていた事例を挙げ、企業や産業においても明確な目標設定が不可欠であると述べました。


Q3:重視すべき無形性価値とは?


守りではなく攻めのサステナビリティ経営において、今後10年の成長投資、撤退判断、パートナーシップの構築で、どのような無形性価値(文化、感性、言語、環境価値など)を重視すべきか、という質問がありました。


  • 中村氏の発言要旨:

    中村氏は、サステナビリティの鍵は「コミュニティ」にあると述べ、コミュニティベースのアプローチが不可欠であると強調。土着の循環の仕組みに光を当て、人々の生活や文化に基点を置くことが最も理にかなったアプローチだと説明しました。さらに、人間中心主義の再興ではなく、人間の中に多種多様な生命が暮らしているという視点から、自然と人間が一体となった存在として人間を再定義することの重要性を指摘。今後は日本の国家メカニズムではなく、ローカルな暮らしでのAIの使い方に、未来のヒントがあるのではと期待を寄せました。


  • 水野氏の発言要旨: 

    水野氏は、中村氏の発言の補足として、昨今さまざまな事業会社が地域のコミュニティに着目し、まちづくりに参画していることを紹介。地方発の条例作りや、公民連携によるルール作りは小回りが利くため、事業を広げやすいと述べました。


  • 田中氏の発言要旨: 

    田中氏は、中村氏の「コミュニティ」という観点に強く賛同。国家ではなく「日本列島」そのものに目を向けることの重要性を強調し、海外での大規模な生産力強化よりも、水や地熱といった自然エネルギーの開発や、海を使った産業など、まだ手つかずの日本列島の可能性を探る方がはるかに生産的であると述べました。



第三部:結論


ナビゲーター熊野の総括要旨:

本セミナーを通じて、未来の羅針盤を示す重要な視点が浮かび上がったと総括しました。田中氏の「連」という概念を引用し、かつて身分を守っていた法は、やがて個人を守るようになり、これからは「繋がり」という関係性そのものを守る時代へと移行する可能性があると述べました。

また、AI時代において企業が留意すべきは、AIを「道具」と見るか「社会」と見るかという問いであり、安易にAIに頼れば「標準化の罠」に陥り、似たような商品が市場に溢れ、レッドオーシャンを加速させると警告しました。そして、生命が細胞の死と再生を繰り返すように、企業もサーキュラーなサプライチェーンにおける代謝機能を通じて、相互に刺激し合う関係性を構築すべきだと指摘しました。未来は必ず訪れるからこそ、今からその準備運動を始めるべきだと締めくくりました。



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次回、第4回(最終回)も、企業が新たな経営秩序を切り拓くための「未来指針」をともに考える機会として、多くの皆様のご参加をお待ちしております。




羅針盤セミナー 第4回のご案内


【テーマ】羅針盤シリーズ総括「経営哲学の羅針盤」

【日時】2025年12月4日(木)16:00~18:00

【登壇者】

  • 熊野 英介(アミタホールディングス株式会社 代表取締役会長 兼 CVO)

  • 末次 貴英(アミタホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CIOO

  • 宮原 伸朗アミタ株式会社 取締役

【対象】

  • 会場参加:企業経営者(完全招待制)

  • オンライン参加:経営企画、R&D、調達・サステナビリティ部門等の責任者・ご担当者


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